みずいろ

PCで好評だったアドベンチャーゲームの移植作。巷(ネット)で評判が良かったので買ってみました。

俺的な印象
一流のゲーム。まあゲーム性としては平凡なんですが、とにかくシナリオが秀逸と、この一言に尽きます。このシナリオには金を払うだけの価値がありますね。私はこのゲームを手に入れるのにエラく苦労しまして、最終的には通販で定価というとっても贅沢な買い方をしてしまったんですが(送料など込みで8000円近くかかりました)、内容がそれに値するものだったので非常に満足がいきました。

そろそろ細かい説明と各キャラの印象なんかを。今回かなり長いですがご容赦下さい。

つーことでグラフィックから。まずOPムービー。これはイマイチと言わざるを得ないです。たぶんPSでも作れるんじゃないかと。ただ、このゲームはディスク1枚でフルボイス・ボーカル曲4つ・シナリオ7つとかなりムチャやってるんで、もはやOPムービーが存在するだけで評価できると思います。
一方普段の画面とかに関しては、なんの問題もないです。気になったといえばファミレスとかで、椅子に座ってるように見えてただテーブルとかで下半身を隠してる、しょせんは通常の立ちポーズだというところでしょうか。容量の苦しさがよくわかります(笑)。

音楽。質は優秀。数はもうちょっと欲しかったような気もしますが、何度も書くようにこのゲームはディスク1枚なのでこれが限界というやつなんでしょう。あとボーカル曲が4つほどありますが、正直全部良いです。『ごめんね』なんか特に。つーかこのゲームの音楽、
暗い雰囲気の曲が究極良いです。

少し音楽とは違いますが声(CV)について。なんか知ってる人がほとんどいないんですが。具体的には1人しか知りませんでした(セリオ)。新鮮味があって非常に良かったと思いますね。最初はちょっと進藤の声が浮いてるかな?とか思ったんですが、すぐ慣れました。

システム。完璧かと。特に困ったところは無かったと思います。セーブ・ロードも非常に早いです。特にロードは非常というよりもはや異常の域に達します(笑)。

問題点。2つあります。まず1つ目としては、このゲームは完全なるアドベンチャーゲームであり、一切途中でミニゲームとか入らないので、
一度眠くなると復帰できません。しっかり睡眠をとってからこのゲームはプレイしましょう(笑)。

2つ目。選択肢の時に出る顔アイコンが区別しにくいこと。要は誰が誰だかわからないということです。特に重要となる過去編はモノクロになるのでさらにわかりづらいです。過去編はテレビに密着してプレイしましょう(笑)。

最後にシナリオの感想ですが、これは各キャラの印象のところで書いてますので。随分長くなっちゃいましたが、ほどほどに楽しんで頂ければ幸いです。

各キャラの印象
クリアした順に書いてあります。キャラ名のうしろの日付はクリアした日です。また書いた日でもありまして、今回はレビューでもありますが、『プレイ日記』みたいな感じにもなってます。

早坂 日和  (2002/04/20)
愛すべきぽんこつさん(笑)。いえ、決してバカにしてるわけではないです。ホントに愛してます(激爆)。・・・・・恥ずかしいこと書いてないでこの娘のストーリーの感想へと参りましょう。

最初にこの娘をクリアしました。ただ、別に最初からこの娘狙いだったわけじゃなく、いつのまにかこの娘のストーリーに流されてたんですが。しかしながらひじょ〜〜〜〜に良かったです。特に終盤の盛りあがりかたはかなりのものでした(具体的にいうなら遊園地に行くあたりからですかね)。

ちょっとレビューらしいことを書きますと、昔仲が良かった女の子が引っ越したというテーマはありふれてるんですが、ある日突然戻ってきていろいろ波瀾が・・・という展開じゃなく、幽霊(?)としてあくまで主人公と1対1でストーリーが進んでいくというのがなかなか斬新で良かったと思いますね。逆をいえば他の人(特に雪希)とのからみがないという点は残念でしたが。他にもこのゲームのキー(?)である「離れえぬよう 流されぬよう」という言葉の使い方や、過去編と現在編とのシンクロの仕方など(特にバレンタインの使い方)、素直に感心できるところがたくさんありました。

しかし、最後はずいぶんとハッピーすぎる展開でしたね〜。手術が成功するのはいいんですが〔というかもし手術失敗してそのままED・・・みたいな結末だったら、DCを窓から投げてましたけど(爆)〕、本物の日和を探し出すことができた上、さらに最後は幽霊時の記憶まで戻っちゃったみたいでしたからね。まあこれは批判じゃなくて「こういう考えも出たよ」という程度のものと思ってください。私もこのハッピーすぎる結末で大賛成です。

しかし何度も書くとおりこの娘を最初にクリアしたんですが、スタッフロールの入り方がうまいというかイジワルですね〜。最初のプレイだったので、これにはしてやられましたよ。幽霊の日和が消えちゃったところでいきなりスタッフロールへと突入するところとか。その時は「これで終わりかよ!」とその場でブッ倒れて放心状態だったんですが、さらに続きがあったのは嬉しかったですね(というかもしなかったらDCを窓から・・・ってこれはもういいですか)。
しかも前述したとおり実にハッピーすぎる結末。そして改めてスタッフロール。システムのセーブなどがあったので、今度こそ終わりだと思い「う〜んいいゲームだった」とか感慨にふけってたら、タイトルメニューに「みずいろ」なるおまけ項目が増えていてさらにストーリーに続きがあるという、スタッフロールを中心としたなんともニクイ(?)演出にまたも素直に感心しました。

・・・・・ありゃ〜。最初からえらく長くなってしまいました。次のキャラからはもっと読みやすくしたいものですな。

進藤 むつき  (2002/04/22)
結局君の本当の名前はなんだったんだ〜!!(←終わった直後の心の叫びです)。う〜ん、悪いシナリオではなかったんですが、日和と比べると少し落ちるというのが印象ですね。それより気になったこととして、日和に続いて2回目のプレイだったんですが、なんというか・・・・・日和ストーリーの時と全然性格違うじゃん!最初はかなり違和感覚えましたね・・・。さらに日和も普通にいるし・・・。雪希は日和ストーリーのときと変わりなかったので、メインにするか否かで大きくキャラクター設定が変わるんだな〜とか思いました。ではそろそろこの娘のストーリーの感想へと参りましょう。

で、感想ですが
オチがすぐわかってしまうのが気になりましたね。というか誰でもわかるような演出になってます。とりあえず多少ニブイ人でも電話うんぬんの会話の時、むつき(仮名)がそれを拒否したところでまずわかるでしょう。でも、それを差し引いても上質なシナリオであると思います。良かったところといえば、ひたすらに健気なところですかね。逆にそれしかないわけでもありますが(汗)。シーン的には・・・後半全般ですかね。海での花火とか。

2002/05/10追加分
え〜といろいろなレビューサイトを周っていたら本名わかりました。進藤さつきだそうです(←反転して見てください)。ただちゃんとした公式なトコロじゃないんで違うかもしれませんけど。

片瀬 雪希  (2002/04/26)
理想の妹の究極の形を具現化したキャラです(笑)。義理で、面倒見が良くて、家事全般をこなしてくれて、可愛くて、しかも兄に好感を持っているという、現実社会では200%無理な設定になってます。

で、この娘のシナリオの感想ですが
序盤〜中盤はかなり退屈ながら、後半は急激におもしろくなったこんな感じになりますね。序盤〜中盤は普段の日常が展開されていくわけですが、なんというか中身のない会話が多くかなりヒマです〔ついでにいうと飯のシーンが多すぎ(笑)〕。

一方、後半のほうはさっきも書いたとおり急激におもしろくなりました。簡単に言うと雪希がだんだんと壊れていくという展開なんですが(爆)、時折雪希サイドでのシーンが入ったり(まあ進藤シナリオでもこれはあったが)、また壊れていく原因となるイベントが非常にストレートなものが多くて、雪希の心境や物語の展開などがわかりやすかったのも良かったです(相合い傘や遊園地のイベントなど)。

最後は・・・・・少し痛い結末でしたね。全然ハッピーEDって感じがしなかったです。終わった直後は「雪希オメデト〜」というよりは「日和がかわいそう」とこっちのほうが(私の場合)先行しましたね。まあ少し冷静に考えると、お互いに相手のことを深く思いやりすぎた結果ああなったと、そんな感想ですね。なんだか冷たい(?)言い方ですが。しかし物語終盤の日和は普段のヘッポコさを微塵も感じさせないほど「お姉さん」してたような気がします(笑)。

少し雑談。雪希の場合はメインにしてもそれほどキャラクター設定が変わりませんでした。一応部活に関してのみメインの場合は無所属になってますが。とりあえず今現在の要望としては、幽霊じゃない日和や明るい進藤のストーリーもやってみたい!といったところです。一応日和の場合CGモードとかでそれっぽいのが一番右端にいるんですが。まあとにかく次は清香でいくつもりです。

早坂 日和 新ルート  (2002/04/28)
清香ルートを探してたらいつの間にかたどり着いた家庭用オリジナルと思われるルートです(違ってたらゴメンナサイ)。このルートでまず印象に残ったといえば、各キャラの設定というか主人公との関係ですね。雪希はいつものベッタリではなく普通に仲の良い妹って感じだし、清香とはそれほど仲が良くなく互いに名字で呼び合う関係、進藤にいたっては最初は知り合いですらないと、なんか日和以外軒並み好感度ダウンって感じです(笑)。

で、このストーリーの感想なんですが、前半はアツアツのベタベタ(笑)、後半は全体としては良かったんですが
最後がイマイチ、といった感想です。というかなんかあやふやなラストでした。結局、日和は実家に帰ったんでしょうか?スタッフロール後の会話で「久しぶりだねけんちゃん」みたいなことを日和が言っていたのでおそらく(一時は)帰ったと思われますが、なんかその後「これからもずっと一緒だね」みたいなセリフを言ってた気がしたんで(たぶんです。ひょっとしたら違うかもしれないです。とりあえず「これからはまた一緒だね」ではなかったような・・・)。まあ違うにしても何にしても、他のキャラに比べどうもラストが盛りあがらなかったですね。そんなとこです。いつかヒマな時もっかいプレイして、キチンと理解したいです。今は清香ルートにいくのが先ですけど。

小野崎 清香  (2002/05/01)
この娘可愛すぎ。間違いなくこのゲーム一番の私的お気に入りキャラでしょう。ヘタすると今年一番のお気に入りになるかもしれません。しかしながら、これまでクリアしてきた日和・雪希・進藤の3人もかなりの好感触だったんですよね〜。総じてキャラに魅力があります、このゲーム。

ではこの娘のシナリオの感想なんですが、前半は主人公と清香の関係が「To Heart」の浩之と志保にソックリだなぁ・・・というのが真っ先に挙がる印象ですかね。ただ内容としては別にその志保のシナリオ(の前半)や、また雪希シナリオの前半のように淡々と日常が過ぎていくわけでもなく、ちゃんと内容のある物語が展開されていくわけですが(注:決して志保&雪希シナリオの前半を批判しているわけではありません。あれは『普通の日常』というものをプレイヤーに伝えようとしてることを私も理解してますから)。

そして後半なんですが、素直に好意を見せ始める清香に
ベタ惚れしました。もう砂絵なんぞどうでもいいです(オイ)。一応断わっておきますが物語自体もとても上質です。内容が深く、また多少重めなストーリーを堪能できました。ただ、進藤シナリオの時と同じくオチがある程度すぐわかっちゃうんですが。私は清香ママが清香のことを「清香ちゃん」と初めて呼んだ時点で義理の母親とかその類だとすぐわかりましたし(ってもしかして普通?)。

あと相変わらず後半は盛り上がりますね。清香がずいぶんと強情だった気もしますけど(雨の中どっかに行っちゃうシーンとか)、子供の時からなが〜い間、それこそ10年くらい(かな?)繰り返したことを終わりにするわけですから、あれくらい動揺や葛藤があってもおかしくないですかね。あと物語のボリュームが他のキャラに比べやや長かったような気がしました(具体的には1時間くらい他のキャラよりかかった)。


ま、とにかく『惚れた』とこの一言に尽きますね(書いててハズい)。

神津 麻美  (2002/05/05)
『To Heart』の来栖川先輩を思い起こさせる、ぼけ〜っとしたタイプの先輩キャラ。まあ来栖川先輩よりはだいぶ口数が多いですが。

で、この人のストーリーの感想ですがまずは日記が泣けたとこれですね(『すすめ〜あさみ姫〜!』とかのアレです)。基本的に私は『友達がいない』というタイプの娘に弱いので、この日記とかあと過去のエピソード等にはかなりやられました。

ただ、ちょっと終わり方は不満でしたね。ネコが見つかった時点でとりあえず終了ですからね。個人的にはこれから別れの日とかどういう展開になるんだろう?とか期待してたんですが。
また結局遠くに行くことは無くなったことに関しても多少の不満がありました。別に悲しいEDにしてくれと言ってるわけじゃないんですが、行かなくなった理由が『ダダをこねた』っていうのがどうも納得がいかないというか・・・。

でも相変わらず終盤はなかなか盛りあがったし、まあまあ良質のシナリオだったと思います。ちょっと平凡な日が多かった気もしましたが、このゲームの特徴の1つでもある『普通の日常』に私もそろそろ慣れてきたのであからさまに「ヒマ」ってこともありませんでした。


・・・・・ふぅ。ちょっと雑談。ついにあと1キャラですか・・・。なんだか終わらせるのがもったいないです。しかしながらこういう気持ちになるゲームは実に久しぶりですな〜。思えばサクラ3以来ですかね。つくづく一流のゲームであることを実感します。

石川 冬佳  (2002/05/07)
まさか最後がこんなのとは(笑)。とにかく他のキャラと比べてシナリオが異質というか浮いてますね。特に前半なんかは。まず雰囲気が暖かくない(笑)。これだけでもう私のこれまでの『みずいろ』のイメージがだいぶ崩れました。あと今までのシナリオと違い、主人公が常に後手にまわってるのも独特ですね。もうひとりの年上の麻美はまあ・・・ああいう性格なだけに結局は主人公がリードしてましたから。

ですが決して批判しているわけではないです。こういう異質なのを1つ入れておくと作品全体にアクセントというか・・・まあとにかく引き締まるので(うまい言葉が見つからなかった。スンマセン)。ということで、そろそろ具体的な感想なんかを。

いいところも多かったんですが悪いところもそれなりにあった、とこれが感想ですね。まずは良かったところ。さっきも書きましたが、異色なシナリオなところが良かったです。細かく言うならこのシナリオだけが思いっきり主人公の成長を描いているところとかですか。たまにはこういうのもいいものです。
そして2つ目としては前半からおもしろかったところですね。この人とは最初から知り合いというわけじゃなく、出会い方とかも含め結構波瀾な幕開けとなります。別に他のキャラでの『普通の日常』も嫌いじゃないんですが、やっぱりどこかしらヒマだったんで、この人の前半はおもしろかったですね。

悪かった点。ラストですかね。無理に冬佳に『主人公のことが好き』って言わせる必要はなかったような気がします。冬佳が主人公のことを好きになる過程とかが、ストーリーの中でほとんど表に出てないですからね。例えば『今度はあなたが私にいろいろ(人の気持ちうんぬんのこととか)教えてね』みたいな終わり方にしたりとか、そんな感じでも良かったような気がしました。

また冬佳がああいう性格になっちゃった理由として過去の父親とのエピソードが語られますが、ちょっとあれだけじゃインパクト不足だったと思いました。ついでにいうと、清香も離婚うんぬんのエピソードだっただけに「またかい・・・」というのも重なっちゃってちょいと不満でしたね(もっともこれに関してはどちらのシナリオを先にプレイするかによって変わるんですが)。あれだけひん曲がっちゃってる性格なんだから(失礼)、もっと強烈なエピソードを期待したんですけどね。

あとは・・・・・これは批判というより希望なんですが、この人の大学生活も見てみたかったです。いや、あんな荒んだ性格で(だから失礼)どういう日常生活おくってるのかな?とか。

2002/05/10追加分
片瀬 健二(主人公)

え〜、当たり前ですが攻略可能キャラではないです(笑)。まあいつもどおり主人公についても感想を書いておこうかなと思ったんで書いとります。
で、感想なんですがなかなか感情移入しやすい主人公だなと思いました。『こみっくパーティ』のように的確すぎるセリフ回しをするわけでもなく、また『ときメモ2サブ3』のように鈍感を極めし者でもなく、それなりに人間らしい主人公だと思います。
ただまともな男友達がいませんね(笑)。何か『With You』の主人公を思い出しちゃいます。いちおう南山という男キャラがいるにはいるんですが、みなさんご存じのとおり彼は別に存在しなくてもこのゲームになんの支障ももたらしません(苦笑)。
あとは・・・・・とにかく寝すぎですね、この人。
君はの○太か!と言いたくなります。

レビューのレビュー(フリートークのようなコーナーです)
キャラ別レビュー長すぎ。なんかときメモ3といい、だんだんキャラ別レビューが長くなっていくような・・・。ところで今回、『こみっくパーティ』に続いて完全にゲームと並列して書いたレビュー第2弾です。ということで今回も突然ですが良かったシナリオの順位をつけようと思います。あ、今回キャラの順位は別に作りました。

ストーリー  日和≧清香≧雪希>進藤≧冬佳≧麻美>新日和
キャラ  清香>雪希≧日和>進藤>麻美≧冬佳

う〜ん、こんな感じですかね。かなり苦悩しました。一応説明をつけときますが右にいくほど評価が下がります。また≧はだいたい同じくらいの評価で若干左のキャラのほうが良かったかな?ってくらいです。まあ不等号本来の使い方ではない気もしますが。特に進藤はメインにするか否かでほとんど別人になるので、かなり困りました(結局両方を踏まえて考えてこうなりました。ちなみに私は明るいほうが好きです)。また今回は『こみっくパーティ』のような合格点はつけてません。全部合格です(エラそうでスイマセン)。平均は大きく超えてます。あくまで私の平均ですが(汗)。とにかくですね、清香が良かったと、これに尽きますね(またかい)。

プレイ時間・・・・・・・25時間くらいかと。全CG埋まってます。ところであのおまけの探偵ものってクリアすると何かいいことでもあるんですか?私はまったく手をつけてないんで。

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